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世界文学:中東・アフリカ編
メソポタミア
ギルガメッシュ叙事詩、紀元前18世紀〜17世紀、メソポタミア
古代メソポタミアの英雄ギルガメッシュの冒険を描いた人類最古の文学作品。
イスラエル
旧約聖書、紀元前5~4世紀、イスラエル
ユダヤ教とキリスト教の聖典。『創世記』はアダムとイブ、ノアの箱舟、バベルの塔などを含む『旧約聖書』巻頭の書。
新約聖書、1世紀、イスラエル
キリスト教の聖典。イエス・キリストの教えや生涯を描く四福音書や、初代キリスト教徒たちによる手紙、ヨハネの黙示録などから成る。
ガラスの帽子、ナヴァ・セメル、1985年、イスラエル
ホロコースト生還者とその次世代がかかえる心の傷(PTSD)を描いた短篇集。「ガラスの帽子」とは、生還者の子や孫が生まれながらにかぶっている目に見えない帽子の比喩。
わたしたちが正しい場所に花は咲かない、アモス・オズ、2010年和訳版刊行、イスラエル
現代イスラエルを代表する作家による講演やインタビューを収めた一冊。「自分こそが正しい」という姿勢にひそむ罠を指摘し、想像力とユーモアによる「共生の作法」を提案する。
サピエンス全史、ユヴァル・ノア・ハラリ、2011年、イスラエル
なぜホモ・サピエンスだけが繁栄したのか?国家、貨幣、企業…虚構を信じる能力のおかげだったと主張し、世界を席巻した世界的ベストセラー。
パレスチナ
ハイファに戻って/太陽の男たち、ガッサーン・カナファーニー、1970年/1962年、パレスチナ
悲劇的な親子の再会を通して時代に翻弄される人間の苦しみ(ハイファに戻って)、クウェートへの密出国を試みる3人のパレスチナ難民の凄惨な末路(太陽の男たち)などを描いた、パレスチナ問題の苛酷な真実に迫る衝撃の作品群。
悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事、エミール・ハビービー、1974年、パレスチナ
祖国にあって祖国を喪失し、敵国の市民として生きる…。総人口の二割に及ぶイスラエル在住パレスチナ人たちの不条理な現実をシニカルに描く。現代アラブ文学の最先端を切り開く、パレスチナ出身、イスラエル国籍、アラブ人作者の代表作。
オリエンタリズム、エドワード・サイード、1978年、パレスチナ
西洋における東洋趣味「オリエンタリズム」を思考様式として再定義し「ポストコロニアル理論」を確立。東洋に対する西洋の態度を批判した書。
パレスチナへ帰る、エドワード・サイード、1999年、パレスチナ
45年ぶりの帰郷が目にするアラファト専制下の擬制の自治。侵略者イスラエルの蛮行と、無能な指導者との二重支配にあえぐ民衆の苦悩。作者が90年代に発表した論文・エッセイから4編を訳した日本オリジナル本。
レバノン
サマルカンド年代記、アミン・マアルーフ、1988年、レバノン
11世紀の詩人オマル・ハイヤームと彼のルバイヤート(四行詩)を軸にしたペルシア歴史ミステリー。
サウジアラビア
コーラン、650年頃、サウジアラビア
イスラム教の聖典。アッラーによる啓示をムハンマドが受け取り神の意志を示す。
イラク
バグダードのフランケンシュタイン、アフマド・サアダーウィー、2014年、イラク
連日自爆テロの続く2005年のバグダードを舞台にした、中東×ディストピア×SF。国家と社会を痛烈に皮肉る、衝撃のエンターテインメント群像劇。ブッカー賞最終候補作。
イラン
千夜一夜物語、900年頃、ペルシャ
王妃シェヘラザードが夜毎に物語を語り、千夜にわたって命をつなぐ物語。アラビア・ペルシャ・インドの伝承や神話を含む。
ガラン版:初めてヨーロッパに紹介された版。必ずしも原典に忠実ではないが、子供でも読める品行方正な編集で世界的に広まった。世界の文化遺産。
バートン版:他の版より収録物語数が多く最も完備されているが、原典より官能性が強調された大人向けの版。
ルバイヤート、オマル・ハイヤーム、11世紀、イラン
イランの詩人による四行詩集。生命の無常性や人間の存在についての洞察を詠んだ。
ペルセポリス、マルジャン・サトラピ、イラン(2000年、フランス)
イスラム革命、イラン・イラク戦争を経験したイランでの幼少期と、ヨーロッパでの少女時代を描いた自伝的グラフィックノベル。激動の時代を悲しみと怒りとユーモアで描いた今作で世界的名声を得た。
テヘランでロリータを読む、イラン(アーザル・ナフィースィー、2003年、アメリカ)
テヘランでヴェールの着用を拒否し、大学を追われた作者が行った秘密の読書会を描いた物語。ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに100週間以上入り続けた。
天空の家―イラン女性作家選、2014年、イラン
イランの女性たちを、イラン、フランス、アメリカなど異なる活動拠点で創作を続けるイランを代表する女性作家7人が描くアンソロジー。
スモモの木の啓示、ショクーフェ・アーザル、2017年、イラン
13歳の末娘の目を通してイスラム革命に翻弄される一家の姿が描かれる。『千一夜物語』的な挿話、死者や幽鬼との交わり、SNSなどが融合した、亡命イラン人作家による魔術的リアリズム。ブッカー賞最終候補作。
アフガニスタン
君のためなら千回でも、アフガニスタン(カーレド・ホッセイニ、2003年、アメリカ)
アフガニスタンの首都カブールから始まる友情、裏切り、償いの物語。主人公と親友の関係は、世界に見捨てられたアフガニスタンを映した皮肉。映画化もされた世界的ベストセラー。
わたしのペンは鳥の翼、2022年、アフガニスタン
アフガニスタンの女性作家18人による23の短篇集。身の危険に晒されても表現したかった自分たちの居る残酷な世界と胸のなかで羽ばたく美しい世界を表現。
パキスタン
コウモリの見た夢、モーシン・ハミッド、2007年、パキスタン
パキスタン出身でアメリカの一流企業に就職した主人公が、9.11という歴史的な事件を経て自己のアイデンティティーを見つめ直す物語。アメリカとパキスタンの政情も巧みに描かれる。ブッカー賞最終候補作。
わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女、マララ・ユスフザイ、2013年、パキスタン
「すべての子どもに教育を」と訴え、イスラム武装勢力に銃撃された経験を綴った自伝。女の子が教育を受ける権利を求める戦いの記録。作者は2014年ノーベル平和賞受賞。
モロッコ
聖なる夜、ターハル・ベン・ジェルーン、1987年、モロッコ
イスラム社会の中で男性として育てられた女性が、父の死によって女性に戻り、解放され旅に出る。さまざまな運命を乗り越え、老境に達した彼女は、自らの人生を語る。モロッコ人初のゴンクール賞受賞作。世界30ヵ国で翻訳。
火によって、ターハル・ベン・ジェルーン、2011年、モロッコ
チュニジアのジャスミン革命のきっかけを作った青年をモデルとした物語。彼はなぜ焼身自殺をしたのか?その火はなぜ他の中東諸国へと燃え広がり「アラブの春」へと繋がっていったのか?
アルジェリア
ムルソー対抗調査(もうひとつの『異邦人』)、カメル・ダーウド、2015年、アルジェリア
アルジェリア出身の作者がカミュの『異邦人』を反転。最も有名なフランス小説の一つを、ムルソーに殺害されたアラブ人の弟の視点から捉え返す衝撃作。2015年ゴンクール賞最優秀新人賞受賞作。
エジプト
死者の書、紀元前40世紀、エジプト
死者の霊魂が楽園へ至る道しるべを描いた古代エジプトの葬祭文書。
ユークリッド言論、エウクレイデス、紀元前3世紀、エジプト
幾何学、比例論、数論、無理量論を体系化した数学書。現代の数学に大きな影響を与えた。
張り出し窓の街、ナギーブ・マフフーズ、1956-1957年、エジプト
アラブ圏唯一のノーベル文学賞作家(2023年時点)の代表作『カイロ3部作』の第一作。イギリスからの独立運動が活発だった時代を舞台にした、旧市街に住む家族の物語。「張り出し窓」は古い社会習慣を代弁するもの。
アレクサンドリア四重奏、エジプト(ロレンス・ダレル、1957年、イギリス)
1930年代のアレクサンドリア舞台に、作家(語り手)と踊り子、人妻の恋愛を軸に、エジプト独立運動をめぐる陰謀が絡まる物語。三島由紀夫「20世紀最高傑作の一つ」。
シエラレオネ
戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった、シエラレオネ(イシメール・ベア、2008年、アメリカ)
アフリカ西部の国シエラレオネの内戦を生きのびた少年兵士の自伝。純粋な少年が殺戮マシーンとなり、そこから立ち直るまでを詳細に記録したのは世界初でとても貴重。アマゾンが選ぶ死ぬまでに読むべき100冊に選出。
マリ
スンジャタ叙事詩 An Epic of Old Mali、13世紀頃、マリ
マリ帝国の始祖である英雄スンジャタ・ケイタの生涯と、マリ帝国の黄金時代への道程が描かれる。
ナイジェリア
やし酒飲み、エイモス・チュツオーラ、1952年、ナイジェリア
やし酒のアル中男が、死んだやし酒造りの名人を呼び戻すため「死者の町」へと旅に出る。アフリカ文学で最も重要な作品の一つ。
崩れ行く絆、チアヌ・アチェベ、1958年、ナイジェリア
19世紀後半のナイジェリア東南部で、イギリスの植民地化の流れに巻き込まれていく人々の物語。全世界で1000万部のベストセラー、「アフリカ文学の父」の最高傑作。
満たされぬ道、ベン・オクリ、1991年、ナイジェリア
ナイジェリアにあるアビク伝説をもとに創造されるマジックリアリズム小説。舞台は貧困が全体を覆うナイジェリア独立前後。精霊の子供・アビクの一人が、人間の世界で生きていこうと決心した…。1991年ブッカー賞受賞。
アメリカーナ、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ、2013年、ナイジェリア
黒人の移民問題を扱った恋愛小説。ナイジェリア出身の彼女はアメリカで、彼はイギリスで、現実の壁に直面する。2013年全米批評家協会賞受賞。
アンゴラ
忘却についての一般論、ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ、2012年、アンゴラ
27年間にわたる泥沼の内戦下を独力で生き抜いた女性ルドをめぐる物語。2013年フェルナンド・ナモーラ文芸賞、2016年度国際ブッカー賞最終候補作、2017年度国際ダブリン文学賞。
コンゴ
アフリカ文学講義――植民地文学から世界‐文学へ、コンゴ(アラン・マバンク、2016年、フランス)
コンゴ生まれのフランスの作家による、2016年にフランスのコレージュ・ド・フランス芸術創造講座で行われた「アフリカにかんする8つの講義」。文学を超え、現代史や思想、社会問題にも広がる視野をもつ類ない文学史である。
タンザニア
楽園、アブドゥルラザク・グルナ、1994年、タンザニア
20世紀初頭の現在のタンザニアを舞台に、少年ユスフの成長と東アフリカ沿岸地域の歴史的な大転換期を描いた物語。作者は2021年ノーベル文学賞受賞。
南アフリカ
バーガーの娘、ナディン・ゴーディマー、1979年、南アフリカ
黒人解放運動の英雄であった父バーガーの元で育った娘が自分を探す旅に出る物語。アパルトヘイト下の南アでは禁書だったが今では世界文学の金字塔。作者1991年ノーベル文学賞受賞。
自由への長い道 ネルソン・マンデラ自伝、ネルソン・マンデラ、1994年、南アフリカ
南アフリカの反アパルトヘイト活動家かつ元大統領の自伝。非暴力を貫くか、暴力に訴えるか、その狭間で葛藤する。作者は1993年にノーベル平和賞受賞。
恥辱、ジョン・マックスウェル・クッツェー、1999年、南アフリカ
アパルトヘイト体制が1994年に撤廃された後の南アフリカ社会を背景に、都市と田舎の生活を対比する。1999年ブッカー賞。作者は2003年ノーベル文学賞受賞。
トレバー・ノア 生まれたことが犯罪! ?、トレバー・ノア、南アフリカ(2016年、アメリカ)
人気風刺番組の司会者/コメディアンの自伝。アパルトヘイト下で、白人の父と黒人の母の間に違法な子供として生まれたなど、数々の笑えない逆境を笑いで吹き飛ばしていく。
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