『オペラ座の怪人』とは?
『オペラ座の怪人』は、フランスの作家ガストン・ルル―が1909年~1910年にかけて連載したゴシック小説。
パリのオペラ座で実際にあった事件やゴーストの噂を元にしていることでも知られている。
小説の他にミュージカルや映画も人気で、複数の形式で人々を魅了し続ける世界的名作。
▼ざっくりのあらすじ
父の死後poor soulless singing machineになっていたヒロインが、Angel of Musicのレッスンを受けてオペラ座のスターに成り上がる。しかしAngel of Musicはオペラ座のゴーストで、そのレッスンはゴーストとの取引だった。You must love me.
『オペラ座の怪人』の読了メモ
感想を一行に要約すると
ミステリーに引き込まれ、ホラーに恐怖し、ロマンスにせつなくなった作品。
ここが良かった
ゴーストはみんなに怖がられていて顔も気持ち悪いのに、ヒロインは額にキスをさせてあげて、そのとき後ろに引いて怯むこともないシーンが凄く良かった。ヒロインは勇敢で優しい心の持ち主。
シャーロック・ホームズとの類似点
新聞記者をしていたこともある作者のガストン・ルル―が語り手となり、過去の事件を調査し、その謎が明らかにされていく設定が、シャーロック・ホームズとの事件を回想して読者に伝えるジョン・ワトソンみがある。
他の怪物系物語
『オペラ座の怪人』のゴーストが怪物キャラを担っていることから、『ドラキュラ』、『フランケンシュタイン』、『ジキル博士とハイド氏』、『ドリアン・グレイの肖像』など、他の怪物系物語とも横並びで読むことで、各作品の特徴が相対化され理解度が上がるかも。
パリのオペラ座の関連写真
ショップで売っていた初版表紙の英語版。表紙はMasked Ball(仮面舞踏会)でのRed Death(赤い死神)= 中の人はオペラ座の怪人。作中ではScarlet(緋色)やCrimson(深紅色)という表現もあり。
当時のものとは違うけど、このシャンデリアが落ちてくるのは怖い…シャガールさんの天井画はブラボー。
オペラ座の外観と内観。夜だと怖い。
OG (Opera Ghost)
作品のタイトルは『The Phantom of the Opera』だけど、作中では「Opera Ghost (OG)」。
Don Juan Triumphant(ドン・ファンの勝利)
OGが20年前から作曲中の曲。近づく者を消費して燃える音楽。人間のあらゆる感情、人間が経験しうる全ての苦しみを表現する。
魔弾の射手(Der Freischütz)
『魔弾の射手』はウェーバー作曲のオペラ。『オペラ座の怪人』で、自分の望みを叶えるために悪魔と取引することの元ネタは、『魔弾の射手』から来ているらしい(Wiki)。この悪魔との取引とオペラ座の実際の事件を組み合わせたことが本作の主な骨格となっているように思う。
Angel of Music
父は名ヴァイオリニスト。娘のクリスティーンに音楽のレッスンをしながら「偉大な音楽家にはAngel of Musicが訪れる。生まれたときに来る人、ずっと後で来る人、来ない人もいる」「私が死んだら天国からAngle of Musicをあなたの元に送るよ」と言っていた。 父が弾いてくれたのは『ラザロの復活』。
タイムライン
1830年:7月革命(ブルボン朝終了)
1848年:2月革命(王政終了)
1849年:ショパン死没
1880年代:オペラ座のシャンデリア落下事件と怪人の噂
1900年代:物語の語り手の時代
1909-10年:本作出版
Box 5と2万フラン
オペラ座のBox 5はOGのサブスク席(OGは観劇に来ないけど)。
さらには毎月2万フランをオペラ座がOGに支払う契約も。
2万フランはどれくらいの金額?
Was paying the Phantom 20,000 francs a month economically realistic for the 1800’s?
byu/Rocket_the_Raccoon inbox5
フランス語の発音
Moncharminはモンシャーマン、Richardはリシャードに聞こえた。Chocolateがショコラテなのと同じ仕組み?
綴りに惑わされず音で覚えることは外国語学習で大切なことだと思う
Kind regards(敬具)
OGがオペラ座のマネージャーに送る手紙の最後に添える言葉。ビジネスメールの最後にも良く使われる。自分も使っているからOGへの親近感が爆上げした。
Kind regards,
OG
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